結論
メラトニンは入眠までの時間を平均で数分から十数分ほど短縮するという報告が多く、方向としては睡眠に役立つ側に出やすいです。ただし効果量は穏やかで、誰にでも大きく効くわけではありません。
時差ぼけや睡眠相のずれなど、体内時計のタイミングの問題が背景にある場合に役立ちやすい傾向があります。夜中に目が覚めてしまうタイプの不眠への効果は限られます。
どれくらい効くのか
複数のメタ分析では、入眠潜時(布団に入ってから眠るまでの時間)の短縮は平均で7分前後、総睡眠時間の延長は8分前後と報告されています。数値としては小さく、臨床的にも穏やかな効果と位置づけられています。
用量は1〜5mg程度で検討され、4mg付近で効果が頭打ちになる傾向があります。多ければよいわけではありません。服用のタイミング(目的に応じて就寝の少し前か、数時間前か)も効きに影響します。
研究の現状
参照しているのは多数の RCT と、それらをまとめたシステマティックレビュー・メタ分析です。子どもや思春期、概日リズムの問題を抱える人では効果が見えやすい一方、明らかな原因のない成人の不眠では効果が小さいことがあります。米国睡眠医学会のガイドラインは、慢性不眠に対するメラトニンの使用を弱く推奨しないとしており、第一選択は認知行動療法(CBT-I)です。
注意点
- 翌朝に眠気やだるさ、頭痛が出ることがあります。日中の活動に影響する場合は用量や時間を見直してください
- 市販品は実際の含有量が表示と異なる例が報告されています。信頼できる製品を選んでください
- 抗凝固薬・降圧薬・避妊薬などとの相互作用が指摘されています。服薬中の方は医師に相談してください
- 子どもへの使用、妊娠中・授乳中の使用は、自己判断せず専門家に相談してください
簡単なたとえ
メラトニンは体内時計の針を少し合わせ直すスイッチのようなものです。針が大きくずれている人ほど、合わせ直したときの変化を感じやすくなります。すでに時計が合っている人では、押しても変化は小さくなります。