結論
16時間断食(食べる時間を 8 時間以内に収める方法)は、体重をやや減らす効果が報告されています。ただし、その多くは食べられる時間が短くなることで自然と摂取カロリーが減るためで、食べる時間帯そのものに特別な代謝上の利点があるという根拠は弱いです。
カロリーをそろえて比較した試験では、時間制限による上乗せはほとんど見られませんでした。
どれくらい効くのか
自由に食べる対照群と比べたメタ分析では、体重で約 1.5kg、脂肪量で約 1kg の減少が報告されています。多くの試験で減少幅は 1〜4kg、体重比で 1〜4% 程度にとどまります。
両群にカロリー制限を課した 12 か月の試験では、時間制限を加えても追加の減少は統計的に有意ではありませんでした。血糖や脂質などの代謝指標でも、上乗せ効果は限定的でした。
研究の現状
参照しているのは複数の RCT と、99 件の RCT をまとめた大規模なネットワークメタ分析です。対象の多くは過体重・肥満の成人で、サンプル数が小さく期間も短い(8〜12 週)試験が目立ちます。12 か月以上の長期データは限られます。
食べる時間帯(早い時間か遅い時間か)やカロリー制限の有無が研究ごとに異なり、結果のばらつきが大きい点に注意が必要です。
注意点
- 体重が減る際に筋肉量も一緒に減ったとする報告があります。高齢の方や筋肉量を保ちたい方は、たんぱく質の摂取と運動を併せて考えるのが現実的です
- 糖尿病で薬を使っている方、妊娠中の方、摂食障害の経験がある方は、開始前に医師に相談してください
- 食べる時間を狭めても、その中で食べ過ぎれば効果は出にくくなります
簡単なたとえ
食べる時間に枠を設けるのは、財布を開ける時間を区切るようなものです。多くの人は枠があると自然に使う量が減りますが、枠の中で使い切ってしまえば差は生まれません。断食も同じで、時間制限そのものより、結果として減る総量が効いています。