結論
運動習慣は睡眠の質の改善と関連するという結果が、複数のメタ分析で一貫して報告されています。有酸素運動を中心とした介入で、主観的な睡眠の質の指標が改善する傾向が見られます。
ただし、就寝直前の激しい運動はかえって入眠を妨げる可能性があり、実施タイミングには注意が必要です。
どれくらい効くのか
メタ分析では、運動介入群で睡眠の質に関する評価指標(睡眠の質の自己評価スコアなど)が対照群と比べて改善する傾向が示されています。効果量は中程度とするものが多く、運動をしていない状態からの変化として意味のある水準とされています。
中高年で睡眠に問題を抱える人を対象にした研究でも、有酸素運動を継続することで睡眠の質の改善が確認されています。
研究の現状
参照している研究は14件程度で、メタ分析とシステマティックレビューが中心です。対象は健常な成人から睡眠に問題を抱える中高年まで幅広く含まれています。
運動の種類(有酸素運動・レジスタンス運動)、強度、実施頻度によって効果量にばらつきがあり、どの組み合わせが最も効果的かはまだ研究途上です。
注意点
- 就寝直前の激しい運動は、体温や交感神経の活性化により、かえって入眠を妨げる可能性があります
- 効果が現れるまでには数週間の継続が必要な場合が多く、即効性を期待しすぎないことが望ましいとされています
- 睡眠障害の診断がある場合は、運動だけに頼らず専門家に相談することが推奨されます
簡単なたとえ
日中の運動は、体内時計に「今は活動する時間」という合図を送るようなものです。その合図がはっきりしているほど、夜になったときに体が休息モードへ切り替わりやすくなると考えられています。