結論
ビタミンB12が実際に不足している人では、補給によって疲労感が改善する可能性があるとする報告があります。一方、血液検査でB12が十分に足りていると分かっている一般的な人には同様の効果があるという根拠は支持されていません。
「疲れているからB12を摂る」という考え方は実際に不足しているかどうかを確認しない限り効果を保証するものではないと考えられます。
どれくらい効くのか
複数の研究をまとめたシステマティックレビューでは、B12欠乏がある人を対象にした補給で疲労感の改善が報告されています。うつ症状や認知機能に対する効果については、不足がない集団を含めた検討では支持する根拠が一貫していません。
不足がない人を対象にした試験では、B12を追加で摂取してもエネルギーレベルや疲労感に明確な変化は見られていません。効果の有無は摂取量そのものよりも体内のB12状態に強く依存すると考えられます。
研究の現状
参照しているのは、ビタミンB12の生理的な役割を整理したレビューと、認知機能・うつ症状・疲労感を対象にした2021年のシステマティックレビュー・メタ解析です。対象集団にはB12欠乏がある人とない人の両方が含まれており、結果は集団によって分かれています。
疲労感の原因は多岐にわたるため、B12単独の効果を切り分けるのが難しい点も根拠が一貫しない一因とされています。
注意点
- 慢性的な疲労感がある場合は、B12不足以外の原因(貧血、甲状腺機能、睡眠不足など)も含めて医師に相談することが推奨されます
- 高齢者や胃の手術歴がある人はB12吸収が低下しやすく、血液検査での確認が有用です
- ベジタリアン・ヴィーガンの人はB12不足のリスクが比較的高いとされています
簡単なたとえ
ガソリンが十分に入っている車に給油しても走りは変わりません。B12不足がない人にとっての補給はこれに近い状況だと考えられます。