結論
魚油(オメガ3脂肪酸、EPA・DHA)と心臓の関係を扱った研究は、結果が割れています。心筋梗塞や冠動脈疾患による死亡をわずかに減らすとするメタ分析がある一方、一般集団向けの低用量サプリメントを調べた大規模試験では明確な効果が見えにくいです。
魚を食事として食べることの利点と、サプリメントとして高用量を摂ることの利点は、分けて考える必要があります。
どれくらい効くのか
13件の RCT・約12万7千人を統合したメタ分析では、心筋梗塞・冠動脈疾患による死亡・心血管死がわずかに低下し、用量が高いほど効果が大きい傾向が示されました。一方、脳卒中には効果が見られませんでした。
ただし、一般集団を対象にした低用量の一次予防試験では、追加効果は小さいものでした。高用量の処方薬を用いた試験では、高リスクの人で有益だったもの(EPA 単剤)と、効果が確認されなかったものの両方があります。
研究の現状
参照しているのは多数の RCT とメタ分析です。魚をよく食べる人ほど心疾患が少ないという観察研究と、無作為化試験の結果が一致しないことがあります。効果は対象者の心血管リスクの高さや用量によって動き、高リスク・高用量で出やすい傾向があります。
注意点
- 高用量(1日1.8〜4g程度)では心房細動のリスク上昇が報告されています。用量が高いほど、また処方薬の規模で目立ちます
- 抗凝固薬を使っている場合、出血傾向に注意が必要です
- 酸化した古い製品は品質が落ちます。保存と鮮度に気をつけてください
- 心疾患がある人やリスクの高い人は、自己判断で高用量に増やさず医師に相談してください
簡単なたとえ
食事に魚を取り入れることが土づくりだとすれば、サプリメントは追加の肥料のようなものです。土がやせている人ほど肥料の効果は見えやすい一方、入れすぎると別の問題(不整脈など)が起きることもあります。